想像力の肥溜め

文章というか、文字列の集合体

とびっきりまずいコーヒー


高校二年生の秋の頃、僕は村上春樹の「羊をめぐる冒険」という本を読んでいた。

あらすじはどうでもいい、読んでいて1つつっかかった部分があった。

それは、物語の序盤。主人公はある喫茶店に良く行くのだが、そこは「その喫茶店に行けばハードロックを聞きながらとびっきりまずいコーヒーを飲むことができる」とされていた。


僕は「とびっきりまずいコーヒーってなんだろう」と不思議に思った。


その時までにコーヒーは何杯も飲んできてはいたけど、とびっきりまずいコーヒーなんて飲んだことがなかったからだ。

僕の中でまずいコーヒーといえば、マクドナルドのコーヒーである。なぜなら味が薄いからだ。しかし、とびっきりまずい訳ではない。とびっきりまずいというからには、相当まずいんだろう。

ちなみにとびっきりおいしいコーヒーも飲んだことがない。家で飲む豆だって高くても700円/gほどだ。コーヒーのおいしさの7割は豆で決まると誰かが言ってたので、まあまだかけるお金が足りないのかも知れない。

とにかく、とびっきりまずいコーヒーととびっきりおいしいコーヒー、どちらかを飲んでみたいと思ったのだ。

(が、1年たった今も飲めてはいないのだった。)